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Vol.2「なつ吉の阿波踊り」
  夏休みも終わり、そろそろ各地の夏祭りも 終わろうとしています。
夏の後半は河内音頭が多くなり。そして秋祭のだんじり祭へと 移って行きます。田舎の 小さな昔ながらの祭を撮影して 太鼓の響きや 日本古来の 伝統を 残そうと 撮影 編集を続けている。
地元の祭はテレビやコンピューターゲームなんかよりケタ違いで楽しく面白く そしてドキドキする遊びなんだ!これがリアリティーな遊びでバーチャルな世界なんかくらべものに成らないくらいワクワクすると言う事を子供達に伝え残したい。と思って撮影に出かけている。 
 家庭ではその映像が いつもテレビゲームをするのと同じテレビモニターで映されるのはどこか妙な気分で矛盾を感じている、、見ている人に太鼓の魂やライブ感は伝わっているのか?りんご飴 金魚すくい 可愛いあの娘の浴衣姿 射的 輪投げ 蒸し暑い祭の夜 冷やしアメ イカ焼き とうもろこしの香ばしい香り うちわ かき氷 下駄の音 何かありそうなドキドキ感。
観てる人に伝わってるかナー。そう言えば冷やしアメは師匠の大好物だ。大阪の祭りは なんだか規模が大きすぎて祭りの全体がよく解らない。阿波踊りは目の前で突然始まる。
 ニュースで放送される、ひな壇になっていてる演舞場は別にして 他の広場や道では予定もスケジュールもナイ。太鼓の振動まで 肌に響いて来る。今年の夏も 阿波踊りの撮影の旅に出発した。いつもの様に 両国橋付近で撮影。蒸し暑い夜が 始まった。
いつも派手な企業連。コンパ帰りの酔っぱらい集団ノリの各大学の阿波踊り連。阿波踊りにはマナーは有ってもルールはナイ。どんなアホでも 踊りゃなソンである。阿波踊りの400年の奥深さが そこに有る。僕は 未だに撮影のアホで ある。
 大黒天 双六 七彩 苔作 土成 弥生 華舞遊 竜美 、、地元の昔ながら の正流の阿波踊りではナイらしいが、意気な踊りと ドキドキする 祭り囃しで 観客の目を 釘付けにする。各地の市民祭りが ダンスソーラン節の影響で どこの祭りも 似たり寄ったりの ダンスのイベント化するなか、阿波踊りは 僕をドキドキさせてくれる。ワクワクさせてくれる。今年は天気には恵まれた。四日目の朝 少し雨が降り ちょっと涼しくなった。撮影も四日目の最終日、張りつめた気分が 僕の中で少し緩んだ。
 ビールでも飲みながら お客さんと同じ目線から撮影してみよう。それが 臨場感だ!なんとも自分勝ってな撮影計画だろう。と 思うだろう が、田舎の祭に行けば青年団や世話人の方が一升瓶を片手に回って来る、祭り事 祝い事 断ると失礼なので よく飲みながら撮影する。
ビデオカメラの隣で ビールを飲んで座っていた 女性二人組に缶ビールを買って来て貰った。放送局なみのうん十kgのカメラ機材を持ってウロチョロするのはアシスタントが居ない撮影日は大変だ。けっこう周りの人に助けて貰うのである。
 この二人にも ビールをご馳走する条件で僕の缶ビールも 買って来てもらった。田舎では よく小中学生が カメラに群がって来る。屋台のジュースや たこ焼きを 買って来てもらう。僕は鼻ピアスを付けているので田舎の子供達にいつも いじられる。子供は純粋で 思った事を 素直に口にする。子供の目線も 祭りの撮影目線として勉強になる、特に田舎の子供の目線と笑顔は大切にしていきたい。ビールを買って来て貰って 乾杯!地元から 見た阿波踊り の感想を聞いてみた。阿波踊りは 踊れナイとの事。小学校の体育祭で踊ったきりだ そうだ。
 前にも聞いた事がある。僕が撮影している連は20年ほど前、徳島の若者グループが 祭りに参加する為にと 連を作った と聞いている。 それまでは 阿波踊りへ夜店を楽しむだけの祭だった。と言っていた。
今も若者はなかなか阿波踊りに参加しないみたい。みんな見るアホう、である。少し酔っぱらってしまった僕に、ご馳走様でした。ガンバってください。の二人組の声。こちらこそである。二人組の後ろ姿にドキドキした。ドキドキしたまま最終日の撮影が始まった。
 撮影が終わってもまだドキドキしている。夏の想い出なんて そんなもので ある。大阪に帰った今でも 二人組の後ろ姿が ドキドキしている。そこにはテレビゲームやコンピューターの世界では 味わえない。リアリティーな ドキドキがある。ワクワクがある。8月最後の日曜日 海に行った。夕方から海岸でバーベキュウをした。
 友達の まさお が ゆく夏を 惜しむかの様に 奇声を上げて 海に飛び込んだ。僕の眼には 一瞬 ストップモーションで まさお が空中で 止まった気がした! 夏が 終わった。 なんだか ドキドキした。徳島 銀座にある 山しげのマスターに貰った お土産の焼酎にすだちを たっぷりと しぼり、 一杯目を 一気に飲みほした。 夕日が眩しかった。甘酸っぱい 夏の香りがした。夏の想い出なんて、、   こんなもの である。