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Vol.1「再会は魅惑のヘンシン!?」

先日、久しぶりに嬉しいおもいをしました。
かれこれ、11年前の夏、僕が参議院議員でタレント活動をしていた頃(あ〜懐かしい)夏休みを利用して落語家の月亭八方氏と構成作家の池田幾三氏らと約10日間程のヨーロッパ旅行をしました。その時は、「東欧は、社会主義体制が崩壊して、チェコはスロヴァキアと分離し独立国になったところやから、今観に言ったら値打ちあるでぇ、今やで、今!」(何でも値踏みする大阪人)という八方氏の提案のもと、ドイツ・チェコ・フランス(ニース)と旅しました。
 
   全くのプライベート旅行だったので、自由気ままで本当に楽しい旅でした。ニースでは、あのネグレスコホテル(あ〜カタカナは言いにくいなぁー)に泊まって、カンヌ、モナコと観光しました。何よりも印象深かったのは、ニースで現地タクシーの運転手さんが教えてくれたEZE(エズ)村の城跡レストラン。ニースとモナコの中間にある村の山上のテラスレストランで、コート・ダジュール(あーカタカナは難しい)を一望でき、地中海に沈む夕日を眺めながらの美味しい食事をいただいたことでした。何といっても、隣のテーブルのお客さんが、お抱えのバンドを携え、どこぞの国の素敵な音楽(何せクラシック音楽等というものには、縁が無いので!)を演奏してくれるので、我が物顔で楽しみ、最高のディナーとなりましした。思わず三人で、『あ〜隣の席が金持ちで得したなぁー』とまたまた、こんなところでも損得勘定をしてしまいました。
  そのニースで、ヨレヨレのTシャツ、短パン、素足にサンダル、背にリュックサックひとつ、手にはスケッチブック一冊とまるで、山下 清画伯かいな、と思わせるひとりの日本人青年に出会いました。彼のスケッチブックには、綿密にさまざまな建築物が描かれ、とても上手なのに三人とも感心しました。彼は九州・福岡の出身で、建築の勉強をし、さらに見識を深めるために、約一年かけてヨーロッパ放浪の旅の途中だということでした。ヨーロッパ建築、ゴシック・バロック・ロマネスク(あ〜またカタカナばっかりやけど、おーてるかいな?)というものには、とんと疎い我々にとって彼は貴重な存在でしたし、大人しい彼にとっても我々はヨーロッパで出会っためずらしい(騒々しい)日本人だったんでしょう。ちょっと意気投合(?)し、美術館からホテルへと同行しました。その後「僕らはモナコのカジノへ行くけど、君、どうする?(短パン、Tシャツ姿の建築家志望の青年には興味がないやろうと内心思いながら)と、気づかいながら彼に尋ねると、「僕も行きます」と返事するではありませんか!
  「えっ〜しかし、君あそこはジャケット・パンツを着用せんと入れへんし、カジノへモナコ建築の見物に行くんちゃうで、プレーやでプレー!!」と言うと、顔を強張らせながら「は、はい、何とかします!」と、そして、どっから見ても借り物とわかる、サイズ違いの似合っていないジャケットを着た彼は我々とカジノへ行くことになりました。
  結果は言うに及ばず…彼はどうやら帰りのタクシー代金だけは残していたようでした。
  その後、彼の旅はまだまだ続くということだったので、「まぁー若いうちにいろいろと経験することは良いことやけど、身体に気をつけてヨ」と我々三人は暖かい言葉を彼に贈り、別れました。
  その後、彼もどうやら無事に帰国したようで、何度かお手紙をもらいましたが、なんせ僕がその後めまぐるしい10年(皆さんご存知かと思いますが、参議院から大阪府知事へ、知事から突然の無職者へ…)を過ごしたので、全く会うことができなかったのですが、ちょうど今回大阪へ仕事で来るというので、また我々三人と一緒に会うことができました。
  まぁ、何と驚くことに、あのTシャツ、短パンが、黒のスーツに、ゴムサンダルが黒の革靴に、リュックがノートパソコン、ビジネスバッグに!(まるでかつてのあの番組『魅惑のヘンシ〜ン』、皆覚えてるかなぁ〜)
  さらに一級建築士として、福岡にオフィスを持ち、東京での仕事も手掛けているとのこと、パソコンで彼が携わっている仕事を見せてもらい、何か久しぶりに会った息子がいつの間にかえらく成長し、立派になった気分でただただ嬉しかったのです。
  「かわいい子には旅をさせろ」と言いますが、本当にしっかりした目的を持っていれば放浪の旅も有意義になるもんですね。ますます彼の活躍を祈るばかりです。
  それにしても、あの時借りてきたジャケット、誰から借りてきたんやろ?…..。